介護施設の採用は、SNSより先に「ホームページ」を整えた方がいい理由

採用広報・情報発信 採用につながる施設の見え方を整理する

求職者やご家族が安心して見られる情報発信へ。現場と経営の視点から、改善の考え方をまとめます。

介護施設の採用では、最近「SNSを使った方がいいのではないか」という相談を聞くことが増えています。

たしかに、SNSは職場の日常や雰囲気を伝えるうえで役立ちます。職員さんの表情、行事の様子、施設内の空気感など、求人票だけでは伝わりにくい情報を届けることができます。

ただ、採用を考えるうえで最初に整えるべきなのは、SNSよりもホームページではないかと感じています。

理由はシンプルです。求職者が施設名を知ったあと、最終的に確認しに来る場所がホームページだからです。

SNSは「知ってもらう場所」、ホームページは「確認される場所」

SNSとホームページは、役割が違います。

SNSは、施設の日常を知ってもらう場所です。まだ施設を知らない人に雰囲気を届けたり、親しみを持ってもらったりするには向いています。

一方で、ホームページは「この施設に応募しても大丈夫か」を確認される場所です。

求人票で施設名を見た人。紹介会社から施設名を聞いた人。ハローワークで求人を見た人。知人から名前を聞いた人。そうした人が「どんな施設だろう」と思ったとき、多くの場合は施設名で検索します。

そのときにホームページが古いままだったり、スマートフォンで見づらかったり、写真が少なかったりすると、求人票の条件を見る前に不安を持たれてしまうことがあります。

つまり、SNSで興味を持ってもらえても、最後に確認されるホームページが整っていなければ、応募前の不安を残してしまう可能性があります。

求職者が知りたいのは、条件だけではない

介護施設の採用では、給与や勤務時間だけで差をつけるのは簡単ではありません。もちろん条件は大切ですが、求職者が応募前に見ているのは条件だけではありません。

  • どんな職員が働いているか
  • 施設の雰囲気は明るいか
  • 未経験でも安心して働けそうか
  • 教育やフォロー体制があるか
  • 利用者さんとの関わり方が想像できるか
  • 施設長や法人の考え方が伝わるか
  • 応募後の流れが分かりやすいか

こうした情報が整理されていると、求職者は「一度話を聞いてみよう」と思いやすくなります。

逆に、情報が少ないホームページでは、施設の良さが伝わる前に「よく分からない」という印象だけが残ってしまいます。これは非常にもったいないことです。

介護施設のホームページで最低限整えたい5つの項目

採用目線でホームページを見直す場合、最初から大きなリニューアルを考える必要はありません。まずは、求職者が応募前に確認しやすい状態をつくることが大切です。

1. スマートフォンで見やすいか

求職者は、求人票や求人サイトをスマートフォンで見ていることが多いです。その流れで施設名を検索したとき、ホームページがスマートフォンで読みにくいと、それだけで離脱される可能性があります。

2. 写真で施設の雰囲気が伝わるか

施設外観だけでなく、共有スペース、廊下、食堂、職員の雰囲気、行事の様子などがあると、働くイメージを持ちやすくなります。写真は、文章以上に安心感を伝えることがあります。

3. 採用情報が探しやすいか

採用情報が奥のページに隠れていたり、古い情報のままになっていたりすると、求職者は不安になります。現在募集している職種、仕事内容、応募方法、問い合わせ先は分かりやすくしておきたいところです。

4. 未経験者やブランクのある人への安心材料があるか

介護職への応募では、「自分にできるだろうか」という不安を持つ人もいます。教育体制、先輩職員のフォロー、資格取得支援、入職後の流れなどがあると、応募前の不安を減らしやすくなります。

5. 施設の考え方が伝わるか

求職者は、条件だけでなく「どんな考え方の施設なのか」も見ています。利用者さんへの向き合い方、職員を大切にする姿勢、地域との関わりなどが伝わると、施設への信頼感につながります。

採用費を増やす前に、見られ方を整える

厚生労働省は、介護職員について2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要になると推計しています。介護人材の確保は、今後も多くの施設にとって大きな課題です。

だからこそ、採用費を増やす前に、まず「見られたときに不安を与えない状態」を整えることが大切です。

求人媒体を増やす、紹介会社へ依頼する、SNSを始める。そうした施策も必要な場面はあります。ただ、その前にホームページが古いままだと、せっかく興味を持ってくれた求職者を取りこぼしてしまう可能性があります。

立派なホームページを新しく作る必要はありません。まずは今あるホームページを活かしながら、スマートフォンで見やすくする、写真を見やすくする、文字を読みやすくする、採用に関する情報を整理する。こうした改善だけでも、求職者に与える印象は変わります。

平田コメント

医療福祉領域では、採用にかかる外部コストが大きくなりすぎていると感じる場面があります。もちろん求人媒体や紹介会社が必要な場面もありますが、本来であれば、できるだけ施設の中に採用力を残していくことが大切だと思っています。

ホームページを整えることは、その第一歩です。求職者が安心して施設を確認できる状態をつくる。施設の魅力を、自分たちの言葉で伝えられる場所を持つ。そのうえで必要な採用施策を組み合わせる。

採用コストを増やす前に、まず見られ方を整えることは、介護施設にとって現実的で意味のある取り組みだと考えています。

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